海軍さんゆかりの地。戦艦大和を造った街。2月9日、広島県呉市にていのちのプログラム「心臓外科医のシゴト」をお届けしました。
教室に入ってくると、「こんにちは!」ととっても元気なあいさつをしてくれました。今回は24人の1〜5年生の子どもたちが集まってくれて、「まだかな〜!」とみんなプログラムが始まるのを心待ちにしてくれていました!
プログラムが始まるとみんなとっても真剣な表情をしています。先生方は、なんと!神奈川県の病院で現在もご活躍されている尾頭厚先生と奈良原裕先生のお2人です!
「お医者さんはどっちのイメージかな?」「右!」 正解です!お医者さんには大きく2種類あり、内科と外科の先生がいます。外科の先生は青色の服を着てマスクと手袋もして手術をするんですね。
心臓は1日にどのくらいの血を送っているのかな?元気よく「はーい!はーい!」と手を挙げる子どもたち。
ドラム缶に手を挙げた子どもが多かったのですが・・・。正解は?!
2リットルのペットボトルが3000本の量になるみたいです。子どもたちは「えーー!!」とびっくりしていました。
お医者さんの仕事のおはなし、心臓のことを勉強した後は、実際に心臓の音を聞いてみました。
「あれ心臓の音が聞こえない」不安そうに先生に聞きます。先生は丁寧に「ここだよ」と教えてくれました。子どもたちも心臓の音が聞けてほっとした様子。「ドキドキ」「ドクドク」「ドクンドクン」といつもお医者さんが使っている聴診器を使って自分やお友達の心臓の音を聞くことで「生きている」と実感してくれました。
次はいよいよ手術体験です!!!先生が普段着ている本物の青い手術着を着ます。普段着ることのできない手術着に、子どもたちはとっても興奮しています!「大きい~!」という声に、「本物の手術の時に着る服なので、子ども用はないんですよ」と先生。ナルホド、それを聞いて子どもたちは、自分も手術体験をするんだ!と気合が入った様子です。
手術着に着替えて、手を前に上げるともうすっかり外科の先生になった気分です!今回は、皮膚を縫う体験をしました。「実際に手術の練習をするときに使う皮膚に似せたスポンジを持ってきました」との説明に「えー!すごーい!」とまたまた子どもたちのテンションが上がっています。
肌色のスポンジに、糸を通して結んできいきます。「難しい!」「結べない…」と、最初は苦戦している様子でした。先生がやっている様子を実際に近くで見ると、「先生早い…!スゴイ」と子どもたちも一生懸命です。
先生が丁寧に教えてくださったお陰で最後にはみんな結べるようになりました!子どもたちの「できたー」の声は大きな達成感だったことが伝わりました。素早く、連続で7回ぐらい結べた子もいて、とっても嬉しそうでした。「この結ぶ練習を先生たちは新人のころ、何回も何回も、何百回も練習するんですよ」と、先生から毎日の練習の積み重ねが大事ということを教わります。
今回は目に見える太い糸を使いましたが、普段は髪の毛よりも細い糸を使っています。1人ずつ回してみてみました。慎重に慎重に落とさないように回していきます。回ってくると、先生達は目ではほとんど見ることができない糸で心臓を縫っていることが分かりました。「ほそっ」「すごい」と子ども達は目を丸くしながら糸を見ていました。
手術体験を終えて、最後に先生へ質問タイムです。みんな、たくさんの質問をしてくれました。
「何種類の道具がありますか」という質問では、麻酔科の先生のものを入れると200種類も及ぶそうで、子ども達も「そんなに」と驚いた様子でした。
先生についての質問も。「1日に何人の患者さんを診ていますか」1日に診ることができる患者さんは1人か2人で6〜8時間かけてを治しています。心臓を治すことは「大変なんだと」ということを学びました。
命は尊いことを今回のプログラムを通して教えてくださいました。先生からは、「大変なんだけど、こうやって続けることが出来るのは、仕事が好きだから」「みんなも好きなことを仕事にしてほしい」というメッセージを子ども達に伝えてくださいました。
本物の外科の先生から様々なことを教わり、体験させていただき、「命の尊さ」「命を助ける難しさ」などの外科のシゴトを垣間見ることができました。子ども達にとってとても貴重な経験となったと思います。
呉児童会の先生方もこのプログラムを通して「外科医を目指す子が1人でも出てくればうれしい。」と言ってらっしゃいました。子どもたちも本当に働いている外科の先生を目でみて、話を聞いて、手で体感することで、感じ方が変わったのではと思います。
最後に使った手袋、帽子、マスクを先生からプレゼントしてくださいました!宝物ですね!
元気な声と真剣にいのちのことに向き合ってくれた呉市立呉児童会の子どもたち、スタッフのみなさま、そして「外科医のシゴト」を教えてくださった尾頭先生と奈良原先生、本当にありがとうございました。