「子どもたちに命の大切さを伝えたい!」という現地の方々の想いのもと、佐賀県の白石町「おおどぼう倶楽部」の4〜6年生へ心臓外科医のプログラムをお届けしました。 講師は心臓外科医の尾頭先生です。
部屋に入ってくるときから、とても礼儀正しくさすが高学年!
少し緊張した様子。ドキドキしながらプログラム開始です。
最初は尾頭先生からのお話。 「お医者さんとは?」「心臓とは?」 子どもたちも真剣な表情で話を聞きます。
「お医者さんは怪我を治すイメージ」 「外科と内科がある」 「なんだか優しそう」 子どもたちの中には様々なお医者さんのイメージがあり、先生の説明を聞きながら、真剣に考えている表情が印象的でした。
次は、実際に心臓の音を聞いてみます!
本物の聴診器を前に子どもたちの表情は一気にワクワクしたものに!
自分の心臓に恐る恐る聴診器を当てると… 「聞こえた!」「動いている!」「なんか早い?!」と、いろいろな声が。
初めて聞く自分の心臓の音に、興味津々な様子です。
次に、友達の心臓の音もチェック。
「どんな音がしましたか?」と聞かれると「ドン、ドンって感じ」「ドキっドキっ」と様々な意見が出ました。
先生の正解は「ドドっドドっという音です」とのこと!
もう一度聞いてみると、「本当だ!!」と、驚いた様子でした。
「聴診器を当てるとよく聞こえる!」 「病院で心臓の音を聞いてもらうのは大事なんだね」と言う声が聞こえ、様々なことを感じたようでした。
次は、いよいよ縫合体験です。 「本物の手術着です!」と、出されたのは大人用の青い手術着。
お手本として、先生に着せてもらいます。
似合っていますね!カッコいい!
他の子どもたちも協力し合って手術着を着ます。
「緊張する・・・!」と言う声も聞こえていましたが、手術着を着ると、ピンと背筋が伸びたようでした!
みんなかっこいいですね!
いよいよ、人工の皮膚を使い、縫合に挑戦します。
先生の説明をよく聞き、緊張した面持ちでスタート。
最初はゆっくり丁寧に。だんだん慣れてくると子どもたちのスピードも上がってきます。
「蝶結びをすると取れてお腹が開いてしまうからね」と先生に言われると、「それは困る!」と慌てて結び直す子も。
みんな上手なので、本物の心臓手術用の糸でも挑戦です。
「見えない!」「まつげみたい」「切れそう…」「手に汗がすごい…」と、練習用の糸のときよりも、子どもたちに緊張が走ります。 そして、「ひとりずつ糸を結んだら隣の人に渡し、切れてしまったらそこで終わりです。」という先生の言葉で、さらに真剣な表情に!
友達と身を寄せ合って作業している姿が素敵でした。
先生から「上手!」とコメントをもらいながら、結果は、どちらのチーム最後まで達成!お見事でした。
お医者さんは、今日のような練習をたくさん繰り返しているそうです。 子どもたちも、手術の大変さと、練習の大切さを感じた様子でした。
質疑応答では、「手術の前はどんな気持ちですか?」「心臓外科医になって良かったことはありますか?」など、様々な質問が出ました。
「手術は失敗しないとは限らない。いつも楽しいより苦しい気持ちです。」 「でも手術を終えて退院していく患者さんやご家族が『ありがとう』と言ってくださるとき、やっていて良かったと思います。」 普段実際に手術をされている先生からの言葉は、重く響いたようで、うなずきながら聞いている子どもたちがたくさんいました。
そして、締めくくりは「命の大切さ」についてのお話と、「好きなことを見つけよう」というお話。
先生が心臓外科医を続けているのは、「好きな仕事だから」だそうです。 お医者さんでなくても、自分なりに好きなことを見つけてほしい、という先生のメッセージは、しっかり子どもたちに伝わっていたように思います。
プログラムのあとは勉強会。おおどぼう倶楽部の運営を担っている生涯学習課の9名の方がご参加くださいました。
市民先生探しでは、様々な意見が飛び交いました。
普段から色々な企画を実施しているおおどぼう倶楽部さんならではのつながりを生かした意見はもちろん、「佐賀といえば?」という問いから「れんこん掘りが出来るかも!」「酪農体験も面白そう!」など新しい意見も。
また、アンケート一枚一枚丁寧に目を通して下さっており、気になる子どもたちについて意見を交わすなど、皆さんの子どもたちに対するあたたかい想いが伝わってきました。
おおどぼう倶楽部の皆さん、尾頭先生、本当にありがとうございました!