冬本番の寒さが続く2月のとある日。三重県津市の児童クラブの子どもたちに、天文学普及プロジェクト「天プラ」代表 博士(理学)高梨 直紘氏による「宇宙の未来」のプログラムをお届けしました。果てしない宇宙の不思議に、子どもたちの探求心がつきない1日となりました。
プログラム前から宇宙について知ることを楽しみにしている様子の子どもたち。高梨先生から宇宙についてどんなことを知ってる?と聞かれると「ビックバン!」「流れ星は宇宙のごみが衝突して出来たもの」「隕石はなぜ落ちてくるの?」等、たくさんの声が上がります。
そんな気合十分な子どもたちに、「宇宙旅行に出発しよう」と高梨先生。みんな、おー!と元気いっぱいの声で答えます。
仮想宇宙空間シミュレーター「Mitaka」で、地球を離れて宇宙の果てへ。
まずは今日の夜空から。「冬の星座はどんなもの知ってる?」「オリオン座!」「オリオン座はこうやって探せる。真ん中にある3つの星は昔みたらし星なんて言われてたんだ」。星座の知らないエピソードも語られます。
そして夜空を突き抜け宇宙へ。地球は約13,000km。一番ご近所の月と地球は、地球約30個分の距離。地球がいる太陽系。火星、土星、聞き馴染みのある星たちが登場します。そこで1天文単位、宇宙で使う距離の単位が登場。これは地球と太陽の距離を指します。太陽系のボス、太陽の直径は地球の約100倍、重さは33万倍。とにかく太陽はデカい。そして実は白色。初めて知る事実に驚きがいっぱいです。
10,000天文単位を超えて太陽系の果てへ。そこにはたくさんの巨大なシャーベットみたいな氷のかたまりたちが。これが時々、太陽に落ちてくる。その氷が解けて噴き出したものがほうき星、彗星の正体。そしてこの氷のつぶ、時々地球にも落ちてくる。これが流れ星の正体。面白い話がどんどん続きます。
太陽系超えると、新しい単位1光年が登場。なんと10兆Kmという距離。
そこに見えてくる天の川、正体は星。あまりにも遠いから1個1個の星の色ではなく、まとまった白い星の色に輝いて見える。そしてもっと果てに進むと見えてくる「銀河系」。太陽系って実は星の大集団「銀河系」の中心から27,000光年も離れた端っこにある。地球って実はちっぽけ星なんだということが分かります。
銀河系には太陽みたいに自分で輝いている星が1,000億個もある。銀河系のお隣にはアンドロメダ銀河。宇宙には星の数の異なるたくさんの銀河がある。その地図は数10億光年先まで出来ている。でもまだまだ発見は続いている。宇宙の果ては138億光年まで。その先は無の世界。それは大人も答えは分からない世界。大きな宇宙の世界に圧倒されます。
興味のつきないみんなのために最後に質問コーナー。予定時間を超えて、ブラックホールの正体を見せたりとたくさんのことを教えてくれる先生。子どもたちは宇宙の不思議に興味がつきない様子でした。
大人も顔負けなほど宇宙のことを知っていて、宇宙のことに興味がある子どもたちに、学童の先生方も「こんな色々なことを知っているなんて」と嬉しい驚き。子どもたちの知りたい気持ち、好奇心は無限に湧き上がってくる、そんなパワーを感じました。児童クラブのみんな、先生方、本当にありがとうございました。