今回は宮城県東松島市、赤井地区自治協議会の皆さんのお招きで、1~6年生を対象とした心臓外科医のプログラムをお届けしました。講師は心臓外科医の尾頭先生です。
午前中は、地域で子育て支援に関わる方々を対象とした勉強会を開催。地域の児童クラブスタッフの方や民生委員、行政の方々など、14名の方が参加してくださいました。
最初に、子どもたちの将来の夢ランキングや地域の子どもたちに取ったアンケートなどを見ていただき、関わる大人たちが子どもたちに大きな影響力を持つことをお話した後、市民先生探しのブレストを行いました。
「パークゴルフ」「小説を書く」「マージャン」といった参加者の方々の趣味分野をはじめとし、幅広いネットワークからたくさんの市民先生候補があがりました。
皆さん日頃から子ども達と接しておられることもあり、とても熱心に会話に参加してくださり、短い時間でしたが充実した内容の勉強会となりました。
午後からは、小学1年生から6年生26名を対象に、心臓外科医の先生指導によるプログラムを実施しました。 講師の尾頭先生に加え、奈良原先生、藤井先生が駆けつけてくださいました。
午後13時から受付がスタート。少し緊張した表情で会場入りする子どもたちに3人の先生方が「こんにちは!」「何年生かな?」と気軽に声をかけてくださり、子どもたちもあっという間に打ち解けた表情に。
参加者が揃うと、まず初めにスライドを見ながら心臓外科医の仕事についてお話をお聞きしました。
「赤ちゃんが生まれるのは何科かな?」「じゃあケガを治すのは?」と、先生の質問に答えながら、お医者さんの仕事について学んでいきます。
「心臓は生まれてから一度も休まず、1日に約10万回も動いています」といったお話にどんどん引き込まれていく子どもたち。
次は、本物の聴診器を使って実際に心臓の音を聴いてみることに。
二人一組になって自分の心臓の音、友達の心臓の音を聴いてみます。 この日はたくさんの保護者の方も参観に来られており、先生の「保護者の方もご一緒にどうぞ」という声かけで、皆さんワクワクした表情でお子さんと一緒に聴診器を体験されていました。
「どんな音が聴こえますか?」「ドクッ、ドクッかな?ドンドンって聞こえるかもしれないね。」「実際はドッ、ドッ、ドッって聴こえてこないかな?」。尾頭先生の問いかけに、「ホントだ!聴こえる~」と目を輝かせながら、何度も聴診器を耳に当てていました。
続いては、手術着に着替えて縫合体験に挑戦です。
「今日は本物の手術着を持ってきました!これを皆さんに来てもらいます」という言葉に、「わぁ~、やったぁ!」「すごーい!」と子どもたちから歓声が。
着用の仕方について教わり、実際に手術着を着てみると、何だか本物のお医者さん気分になった様子。子どもたちの表情も引き締まります。
さぁ、いよいよ本番!縫合の練習に使われているという人口皮膚のスポンジを使って、あらかじめ通された糸を何回もしっかり結ぶことに挑戦します。
「むずかしい~」「手の汗がすごい」などと言いつつも、目は真剣!最初はゆっくり時間がかかっていましたが、次第に慣れてきて結ぶスピードも上がります。
続いて、実際の心臓手術で縫合に使われているという目に見えないくらい非常に細い糸を順番で結ぶことに挑戦しました。
「切れてしまったらそこで終わりですよ~。慎重にね」という先生の言葉に、子ども達の表情も引き締まり、真剣なまなざしで慎重に、丁寧に糸を結んでいきます。
グループ全員糸を切ることなくゴールできると、先生から「すごいね、よくできました!」とお褒めの言葉が。
子どもたち皆、ホッとした達成感のある顔をしていました。
プログラムの最後は再びスライドを見ながら、「命の大切さ」についてまた「好きなことを見つけよう」というお話をお聞きしました。
「命をあずかるという仕事は責任も重くて大変だけど、好きだから続けていけます。皆さんもぜひ好きなことを見つけて取り組んでみてください」という尾頭先生の言葉は、しっかりと子どもたちの胸に届いたように思いました。
温かく迎えてくださった赤井地区自治協議会の皆さん、尾頭先生はじめ、奈良原先生、藤井先生、本当にありがとうございました。