「日頃、身の回りにどれだけのいのちがあって、共に生きているということをどれだけ考えているか。」
この日は、神奈川県川崎市の臨港中学校区地域の寺子屋へ
安田菜津紀さんによる、いのちのプログラム「ファインダーから見るいのち」をお届けして参りました。20人の子どもたちが集まってくれました。
寺子屋を運営している方々が、温かく迎えいれてくれました。
イメージキャラクター「寺ッコ」
開催時間が近づくにつれ、どんどん集まる子どもたち。
「お母さんとお父さんがラジオ聴いてて…。」といったように、
ファンまでいらっしゃるぐらい、保護者様のご参加も非常に多いプログラムとなりました。
始まるまで、写真を通して子どもたちにクイズを出してくれている安田さん。
さあ、プログラムがスタートいたしました!!
「みんな、“フォトグラファー”って知ってる??」
首を横に振る子どもたちに、活動の様子を通してお仕事の内容を伝えてくれます。
「5年前の大きな出来事、みんな覚えている?」
そう、忘れもしない2011.3.11の東日本大震災。
「まだ2歳・・・」と1年生女の子。そうか、あの頃の君たちは、まだ2歳だったのか。
写真で見たことのある方も多い、1本の松の木の写真。
この地域では、震災前は7万本ほど植えられていたそうです。
失われた数が大き過ぎて、想像もつかないだろうか。だが、じっと画面を見つめる子どもたち。
そうして、陸前高田での1つのエピソードを話してくださいました。
被災された陸前高田の男性が言いました。「今までは、花や草が生えてくることは当り前だと思っていたんだ。だけど、それは当り前ではなかった。」大地震による津波で全てが流されてしまった中で再認識した、小さく見えるが、確かにそこにある草や花のいのち。
だからこそ、目を向けてみよう。私たちの周りに散りばめられている、宝物たちを。
“すぐそばに見える宝物を探そう”
そうしてカメラを手渡されたこどもたち。
無限なワクワクにしたがって、シャッターを切りまくれ!!!
水道のスキマ。
階段のそこ!? し、師匠。弟子入りさせてください!!
池を覗き込む。(周りの大人たちは、落ちてしまわないかヒヤヒヤ。)
草むら散策隊!!
「先生、みてみて!!」常に先生の周りには、子どもたちが集まっていました。
そんな真っすぐな目でシャッターを押す子どもたちにワクワクしているかのように、安田さんはいつもの視点から少し外して周りを見てみるコツを教えてくださいます。
さて、さて、ワクワクの詰まったカメラを1人1人教室に持ちかえって、
ベストショットを1枚決めて、作品紹介シートを記入。
いざ、発表会!
大人顔負けの写真たちで、教室がどよめく瞬間がいくつもありました。
何年も生きている木。木目といういのちを感じる1枚。
そこに登る蟻。「2つのいのちが生きている写真。」
被写体の蝶と距離が絶妙な1枚。
「撮る側と撮られる側の、いのちといのちを近づけている瞬間。」
いつもは撮られる方が多い子どもたち、今回は撮る側へ。
いつもは撮るほうが多い先生、今回は撮られる側へ。
写真は「あなたのことを見ていますよ。」が形になったものとおっしゃる安田先生。なるほど、だから嬉しいのか。
1人ずつの発表が終わったところで、陸前高田でのある小学校のお話しをしてくださいました。
津波で流された校舎で、少し遅れた入学式が行われました。
この日の入学式に参列したのは、たったの2人。
校長先生から2人へ、「2人の命は、この町の宝物なんだ。そのいのちを、6年間磨き続けてほしい。」という言葉を伝えられたそうです。
温かい拍手で包まれるように、この日のプログラムが終わりました。
安田菜津紀さん、代表・宮越さんをはじめとする臨港中学校区地域の寺子屋の方々、2つの熱い気持ちとともに、子どもたちに心温まるプログラムを届けることができました。
またオリンパス株式会社様より子どもたちが扱うカメラの機材提供を頂きました。本当にありがとうございます。
この日も無事にプログラムを終えることができたのは、ご協力いただいた皆様のおかげです。ありがとうございました。