『普段過ごしている学童のテラスにみんなで木製ベンチを作りたい!』この夢をかなえるために、滋賀県栗東市へ行ってきました!
例年より暖かい冬となった12月20日、みんなの夢のお手伝いのためにデザイナー・大工の飯坂先生を始め、仲間の大工さんなど、物作りのプロが11人も勢ぞろい!
実はプログラム当日の準備のために、一度学童へ遊びに来てくれた飯坂先生。
子ども達も先生のことを覚えていて、顔を見るなり「いーはん、来てくれた!」と愛称で呼びながら、「ベンチ作るんやろ⁉︎」と始まる前からワクワクしている様子。1年生から5年生まで総勢45名の子ども達が参加してくれました。
3チームに分かれてベンチを作り上げますが、まずは3人1班で思い思いのベンチを作っていき、最後に合体させて大きなベンチに仕上げていくことに。どんなベンチが出来上がるのでしょうか。
体育館には大工さんが使う本物の工具や材料の木材がズラリとたくさん並びます。
飯坂先生から、今日のプログラムを安全に進めるためのお約束を話していただいてからスタートです!
早く工具も使ってみたいけれど、まずはどんなベンチを作るか班に分かれて相談です。
先生から「誰に座って欲しいか、どんな風に使って欲しいか考えてみよう!」の声に、各班で話し合いが始まります。
初めはなかなかアイデアが浮かばなかった班も、みんなで話し合いが進む中でワークシートを埋めていきました。
学童に迎えに来たお父さん、お母さんが座れるベンチや、座る友達の背丈に合わせてベンチの高さを変えて入れ子式にするデザイン、クリスマス直前ということでサンタさんとトナカイが座れるベンチをデザインする班も!大人が驚くようなアイデアがたくさん出て来ました。
次はいよいよベンチを作っていきます!
先ほどデザインした形に合うように、先ずは脚の長さを決めていきます。
同じ長さの木材を探し出すだけでもなかなか大変…班で協力しながら材料選びをしていきます。
材料が決まったらまずはボンドで木を固定していきます。普段から使ったことがあるボンドですが、みんな慎重に慎重にボンドを塗っていきます。
続いて、いよいよハンマーの出番です!
初めて使う子がほとんどだったので、重たいハンマーを持って少し打つだけでも手がしびれます。慣れない作業に「手が痛い…」と嘆く子もいましたが、大工さんからコツを聞いたり、少しずつ慣れてくるうちにだんだん夢中になって釘を打ち進めていました。
なかなか真っ直ぐ釘が打てず曲がってしまうこともありますが、その度に釘を抜いて何度も釘打ちに挑戦していく子ども達。初めはおしゃべりしながらの子もいましたが、いつしかハンマーで釘を打つ音だけが体育館に鳴り響いていました。
木が動いてグラグラする時は、班の仲間で支えあいながら釘を打ちます。
「釘打ち上手いなぁ〜」と言われて照れ臭そうにする子や、私たちスタッフが釘を抜くのを見て「やってあげるわ!」と進んで手伝ってくれる子、最初は恐る恐る触っていたハンマーも時間が経つにつれて慣れた手つきになってきました。
徐々に各班で椅子ができてきました!
ここからは大工さんの腕の見せ所!
チームごとに組み合わせて1つのベンチに仕上げていきます。
大工さんが使う専門の道具や手さばきにみんな興味津々です。
このベンチはみんなで一緒に座って、360度見渡せるようにしたいという子ども達の想いを、大工さんが形にしてくれました!ベンチが出来上がり始めると、待ちきれずにみんな好きなところに座り始めます。
早速同じチームの子達でくっつきながら座っている様子が微笑ましかったです。
「このベンチは神様が座るねん」とデザインしたものが実際に出来上がって満足げな様子です。このベンチに座ったらさらに仲良くなれそうですね!
最後に先生から「誰のために、どんな風に使って欲しいかを考えて作ったら、出来上がった物を大切に使いたくなると思います。是非その気持ちを忘れずにこのベンチをみんなで使ってくださいね」とのメッセージをいただきました。
世界で1つだけしかないオリジナルのベンチ。どんなふうに、また誰と一緒に使うか是非みんなで考えながら、大事に使ってほしいなと思いました。
プログラムの前に実施した“ほうかご勉強会”では、2つの学童から先生方が参加してくださいました。
普段から地元の方に先生になっていただいて茶道を教えてもらったり、琴を教えてもらったりされているとのことで、「他にどんな先生がいるかな~」と色々と意見を出し合ってくださいました。
その中でも印象的だったのが、外国人の保護者の方がいらっしゃるので「言葉や文化について教えてもらえるかも」といった案や、寿司職人のご親族に「滋賀県の郷土料理である「鮒ずし」を釣るところから漬けるところまで教えてもらえるかも」といった地元ならではの案を出してくださいました。
是非地元の力を活かしたプログラムを実現していただきたいなと思いました。
ご協力いただいた飯坂先生ならびに大工の先生のみなさま、プログラムに参加してくれた治田西第二学童保育所の子どもたちと関係者のみなさま、本当にありがとうございました。