山々に囲まれ自然豊かな町、岡山県加賀郡吉備中央町。
今年度の「夢をかなえるプログラム」は、ここで“大きな夢のまち”をつくることになりました。講師は大きな舞台美術等を手掛け、ご自身も舞台に立つ役者兼造形作家の林周一さんです。東京から画材や材料をたくさん詰め込み、車で7時間移動してきた講師の林くんが元気いっぱいに登場!
一瞬にして子どもたちの人気を集めた林くんと、子どもたちの自由な発想がたくさん詰め込まれた“大きな夢のまち”の完成までの様子をお届けします。
事前にお話を聞いたところ、25年3月をもって小学校が統廃合されてしまい、子どもたちは別々の学校へ通うことが決まっているとのこと。「少子化により子どもは減っているが、協力したらすごいものが作れることをみんなで体験したい!」との思いがあふれていました。
プログラム前日、ひと足先に会場へ到着すると予想を大きく上回る“リサイクルごみの山”が!!
そう!今回の“夢のまち”の材料は捨てられてしまう、空き箱・牛乳パック・ダンボール箱・ペットボトル 等、私たちの身近にあるものです。リサイクルごみ集めから、子どもたちの“まちづくり”は始まっていたのです。
当日の朝、スタッフや子どもたちが到着して、「わ!!大きい!!」 「スゴイ!山がある!」等とビックリした様子。床一面に広がる、自分たちのまち。でもまだまだ殺風景で色がありません。一体どんなまちに仕上がっていくのか…?!
まずは、「あったらいいな」と思うモノを自分たちで作っていきます。
最初は「え~何をつくろう…」と少し遠慮がちだった子も、大量の材料と牛乳パックやペットボトルを前にアイディアが膨らんでいきます。
「亀がたくさん住んでいるよね」「シンボルツリーが欲しいな」「みんなで移動できるバスをつくろう」「キノコが好き」「山といったら富士山なんだよな~」「川をボートで移動する??」など、工作が得意と聞いていただけありますね。
始まってすぐにアイディアを広げていく子どもたち。手の動きが止まりません…!
でも、もっともっと賑やかにしたい!と、次は全員でまちを装飾していきます。
ハケ、絵の具、手袋等を手に、自分たちの“夢のまち”を盛り上げます。
最初は座って一色を丁寧に塗っていた子どもたちですが、「ハケから垂れる絵の具のポタポタがキレイ!」と気づいた子や、色をたくさん混ぜてみる子も。
林くんから「せっかくだから、足跡や手形も残したら?」と声をかけられた途端に…子どもたちの自由な遊び心に火がつきます‼
掃除や手洗いのこと、周りの目など全く気にすることもなく全身を使って楽しみます♪ズボンを膝までまくり、靴下を脱ぎ、手袋をとり、全身をつかって縦横無尽に。
「学校は虹色がいいんだよな~」「僕の手形ココだよ~」「絵の具気持ちいい~~~」「山に雪が降ったよ~」「こっちの山は紅葉している~」等と終始楽しそう。
気づいた頃には、“夢のまち”が完成していました。
我に返った子どもたちは、「え、これ風呂に入れば落ちるの?」「洗濯したら落ちる?」と突然心配そうな様子。
そしてまた面白い子どもの発想に遭遇。足を洗うにしても洗い場までどうやって移動しよう…?手袋を足にはめ出した子が!
子どもの自由な発想って本当に面白くて、感心です。手袋だけでなく、ティッシュの空き箱や牛乳パックを工作して履き移動している子も。
4月からはこの学校には通わなくなってしまうけど、いつ帰ってきてもこの日のことが思い出されると嬉しいです。そして、子どもたちにとって誇れる自慢の地元であって欲しいなと願う一日でした。
夏休み中のオンライン作戦会議から始まり、材料集め等、多岐にわたりご協力をいただきました現地団体スタッフ、保護者、地域の皆さま、講師・林周一先生、本当にありがとうございました!