毎年全国から届くたくさんの“夢”の中から、「謎解きイベントをつくりたい!」という夢を叶えに、神奈川県川崎市にやってきました。
定期的に活動している「子ども会議」のメンバーたちが考えた施設のキャラクターを主人公に、謎解きが楽しめるイベントをつくりたい、でもどうやってつくるのかわからないから謎解きのプロに教えてもらいたい…
そんな子どもたちの夢を叶えてくれる先生は、数々の謎解きイベントを手掛けている株式会社タカラッシュさんから紹介いただいた阿部秀斗さん、シュート先生です!
11月、子どもたちの元に突然「挑戦状」が届きます!子どもたちは挑戦状の答えを手に、1回目のプログラムがスタートです。
まずはお互いに自己紹介。シュート先生は子どもたちが好きなキャラクターやマンガに詳しく、あっという間に子どもたちの人気者に!
先生から「なんでもいいから、おもしろいアイデアをどんどん出そう!」と声がかかると、たった15分で、いろんなアイデアが書かれた付箋でいっぱいに!先生もびっくりです!
シュート先生は、子どもたちのアイデアを一つひとつ読み上げて、どんな場面に使えるか分類しながら、イベント全体の流れを構成していきます。
次に、謎解きイベントは最後の大謎“ラスナゾ”からつくっていくことを教えてもらいます。ラスナゾになりそうなアイデアをいくつか選び、子どもたちは選んだ理由を伝え合いながら数を絞っていくと…ここでシュート先生からストップが!
「ここからは、イベント全体をまとめる人=ディレクターに決めてもらいます」
他のメンバーはディレクターの決断を信じ、ついていくのです。
立候補した3人がディレクターとなり、「ここに出ている案を組み合わせるのは?」「つなげてもいいんじゃない?」と話し合い、ついに謎解きの流れが決まりました!
シュート先生から「メンバー同士で常に話し合って、思いやりを持って決めることが大事。仲間を尊敬することが一番大切なんだよ」と重要なポイントを伝えてもらいます。
次回までの宿題は、イベントに参加する人が謎を解きたくなるようなストーリーを考えてくること。子どもたち、がんばれ!
12月、2回目のプログラムでは、実際に謎をつくってみます。
シュート先生から「謎解きは、誰かに解いてもらって“楽しい!”“おもしろい!”と感じてもらうことが大事。参加してもらう人に何を伝えたいか考えて、謎をつくりましょう!」と教えてもらいます。
前回の宿題となっていた子どもたちがまとめたストーリーをみながら、どの場所で何問ぐらいの謎を出すかを考えます。大事なのは、参加する人が楽しめる工夫!
第一の場所から第二の場所へ移動する方法や謎を隠す場所など、子どもたちからいろんなアイデアが出てきます。
次に、謎を解かなければいけない理由=設定を考えます。
「手紙が残されているのはどうかな?」「挑戦状にしよう!」「第二の場所は月、そこでかくれんぼしていたという設定はどうかな?」
いろんなアイデアが出てきて、シュート先生もどうまとめたら良いか迷います…
ようやく全体の流れが固まったところで、2つのグループに分かれ、それぞれ分担しながらたくさんの謎をつくっていきます。みんな集中して、協力しながら頑張っています!
年が明けて1月、画面越しにシュート先生が登場です!
最後の“ラスナゾ”につながる流れがうまくまとまらず、オンラインで追加プログラムを実施することに。
先生は、子どもたちがまとめたフィナーレまでの流れを聞きながら、
「謎の数は、1時間ぐらいで解き終わるボリューム感が良いよ」
「ストーリー全体にファンタジー感があるので、ちょっと不思議な場面をつくってもおもしろいね」など、具体的にアドバイス。
子どもたちは、どんどん出てくるアイデアに目移りしてしまい、うまくまとめられません。
そこで、シュート先生が「良いな、ちょっと違うな、と思った理由を仲間に伝えよう!チーム全員が納得できる内容にするためには、メンバーをリスペクトしながら進めよう!」と、1回目のプログラムで伝えた一番大切なことを、もう一度話します。
最後に「謎解きイベントを最後までつくるのは大人でも大変。いろいろ迷ってしまうけど“おもしろい!”と思った筋を信じて、突き進んでください!」とメッセージをもらい、子どもたちの表情がキリっと引き締まります。さて、どんなイベントになるのでしょうか…。
いよいよイベント開催日当日!
イベントタイトルは「文鳥商店物語 ~小さなお客と不思議な月の光~」
みんな楽しそうに会場の飾りつけなどの準備を進め、最終確認の打合せにも余念がありません。
受付では、謎解きシートを渡しながら、低学年の子には「自分の力で解くんだよ!」と優しく声をかけています。
オープニングで子ども会議メンバー全員が並んでご挨拶。その後、物語の設定を動画で伝えます。子ども達から「動画を撮りたい!」と提案し、スタッフの力を借りて完成させました。とってもクオリティが高くてびっくり。
2つの部屋を会場にし、「わからなーい!」「わかった!」「みつけた!」など、楽しそうに謎を解いていきます。
会場の1つは月の設定で、部屋の中は真っ暗…。ブラックライトや蛍光色を使って、ファンタジックな雰囲気を演出しています!子どもたちの柔軟なアイデアに脱帽です。
エンディングも動画を流し、最後にメッセージが隠されていることが分かる構成に。たくさん悩んだ分、素晴らしいフィナーレ!22人も参加してくれて大成功でした!!
謎解きの楽しさを通して、シュート先生からたくさんのことを教えてもらった今回の夢をかなえるプログラム。
シュート先生は子どもたちにこんなことも話していました。
「謎解きイベントはどんな設定も“アリ”になります。謎解きイベントをつくることで大事なのは、夢をあきらめたくない!という気持ち。普通の会議室や教室に、いろんな世界をつくることができるんだよ!いろんな夢をかなえることができるんだよ!謎解きの力を使えば限界を超えられるなんてすごいよね!これからも、いろんな世界をつくってください」
準備段階から長期にわたって多大なるご協力をいただきました現地団体スタッフの皆さま、サポートいただきました株式会社タカラッシュさま、阿部秀斗先生、本当にありがとうございました!