『世界子どもの日』の11月20日は、子どもたちが主体の催しが世界中で行われています。この特別な日に、いのちのプログラム『みんなで守る、みんなのいのち』を大阪府茨木市の子どもたちにお届けしました。「防災」は、命を守るために大切な訓練です。しかし、その大切さを理解してもらうプロセスは、想像以上に大変ですよね。そこで本日は、講師としてNPO法人プラス・アーツの佐々木さんと長さんをお迎えし、子どもたちに「防災」を楽しみながら学んでもらいました。
プログラムでは3チームに分かれてもらい、子どもたちはチーム対抗戦で3つのゲームに取り組んでもらいます。それぞれのゲームでは、結果に応じて、得点がチームに配分されます。優勝チームには、なにやらプレゼントがあるらしい!?激戦必至です!
ゲームを始める前に、まずは防災にまつわる準備体操をします。地震の揺れや頭を守る動作を体で表現しながら、子どもたちは防災を学ぶ気持ちをつくっていきます。
準備体操で身も心も温めたあとは、地震による日本の災害についての勉強です。大きな被害をもたらした地震災害がいくつか紹介されましたが、自分達が住んでいる関西地区で起きた阪神淡路大震災が紹介されると、ざわざわとした様子になりました。また、避難所として「体育館」が利用されている場面を見た子どもたちは、今いる体育館を見回しながら普段とは異なる体育館に「え~!」と驚きを隠さずにはいられませんでした。当たり前の生活と照らし合わせながら、災害や防災について考えることができたのではないかと思います。
座学が終わると、お待ちかねのチーム対抗のゲームになります!
まずは『紙食器づくり』です。避難所での生活を想定して、カレーを食べることができる程度の紙皿をチラシ1枚で作成してもらいました。最終的には、各チームで1つ紙皿を講師の方に提出して、採点してもらいます。評価ポイントは次の3つです。
①再現性(つくりやすさ)
②機能性(つかいやすさ)
③芸術性(うつくしさ)
どんな紙皿になったかな?
子ども達は一所懸命に取り組んでくれて、完成した紙皿を「見て、見て~!」と周りの大人に呼びかけていました。お皿を二重にしているチームもいたりと、創意工夫を凝らして、作成してくれました。どれも味があって、いろとりどりの紙皿でした!
続いては、防災のカードゲーム『なまずの学校』に挑戦してもらいました。
講師の方から提示された災害時のトラブルに対して、子どもたちは解決する方法を道具カードから選びます。回答に間違いはありませんが、次の2点を汲み取った道具を選ぶことができれば、高得点を望めます!
①すぐ手に入るもの
②使いやすいもの
例えば、地震で倒壊した家に下敷きの人がいる状況では、どんな道具があればいいでしょうか。ジャッキや角材などがあれば・・・
「どっちがいいの?」と悩みながらも、子ども達は提示されたトラブルに対応できる道具カードをチーム内で、臨機応変に話し合い選んでくれました。
最後のゲームは『毛布で担架タイムトライアル』です。
災害で怪我をした救護者を運ぶことを想定して、毛布を担架代わりに人並みの大きさをしたカエルの人形を運ぶ、時間を競うゲームになります。一見、ただ運ぶだけのように見えますが、カエルの部位によってかかる重さは異なるので、チーム内で立ち位置を考えなければ上手に運べません。各チームは「ここは重いから僕/私が運ぶね!」と周りの友達を思いやる声掛けをして、考えながら取り組んでくれました。
「お、重い・・」と声が漏れるほど、カエルに重さを感じたようでしたが、どのチームも力を合わせて、運んでくれました!3つのゲームを終え、最も得点が高かったチームにはオリジナルの缶バッチが贈呈されました。優勝したチームだけでなく、ほかのチームの子ども達も一緒に拍手をして喜び合っていて、とても素敵な空間でした。講師の方から頂いた缶バッチを、率先してチームの仲間に配る子もいましたが、こうした行動を普段の生活から行うことができることに魅了されました。この積み重ねが、災害時など不測の事態で自分や周りの命を守ることにつながるのでは、と思います。そして、講師の方から子どもたち皆に「なまずの学校」がプレゼントされました。是非、これからも「なまずの学校」で楽しみながら、防災を学んでいって下さいね!最後には、今日参加した子どもたちと一緒に記念撮影をしました。
プログラム実施後、子どもたちは今日学んだことをアンケートに書き留めてくれました。「また、来てね!」と話しかけてくれた子もいて、子どもたちにとって有意義な時間になったのではと思います。災害は突然の出来事で予測のできないことが多いけれど、今日魅せてくれた笑顔を守り続けていってね!
今日参加して下さった現地の子どもたち、学童のスタッフの方々、講師の先生方、ありがとうございました!スミセイアフタースクールは、今後も子どもたちが豊かな放課後を過ごすことができるよう取り組んでまいります。